
YouTubeインストリーム広告は、動画マーケティングの中でも特に高い視認性とターゲティング精度を誇る広告手法です。
しかし、「インストリーム広告の種類は?」「どの広告フォーマットを選べばいいの?」「費用はどれくらい?」など、初めて出稿する方には分かりにくい点も多いでしょう。
本記事では、YouTubeインストリーム広告の種類・特徴・費用・運用のポイントについて詳しく解説します。
効果的な活用方法や費用対効果を高めるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
YouTubeインストリーム広告とは
YouTubeインストリーム広告は、動画の再生前・再生中・再生後に表示される広告です。
高い視認性とターゲティング精度が特徴です。
- 表示場所:視聴者がYouTube動画を視聴すると、自動的に広告が再生される。
- 課金方式:スキップ可能広告は広告を 30 秒間(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴したか、30 秒経つ前に広告を操作した場合に課金(CPV方式)、スキップ不可広告はインプレッション課金(CPM方式)。

インストリーム広告の種類と特徴
YouTubeインストリーム広告には、目的やターゲットに応じた複数の種類があります。
それぞれの特徴と最適な用途を理解し、効果的に活用しましょう。
スキッパブル広告(TrueViewインストリーム広告)
スキッパブル広告は、YouTubeで最も一般的に利用される広告形式です。
5秒後に視聴者がスキップできるのが特徴です。
広告が30秒以上(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴されるか、30 秒経つ前に広告を操作した場合のみ課金されます。
無駄なインプレッション課金が発生せず、費用対効果の高いフォーマットとして人気があります。

▼メリット
- 費用対効果が高い:30秒以上(30 秒未満の広告の場合は最後まで)視聴しない限り、広告費はかからない。
- ターゲティング精度が高い:視聴履歴や興味関心に基づいた配信が可能。
- 柔軟なクリエイティブが可能:長尺の広告も配信できる。
▼デメリット
- スキップされる可能性が高い:視聴者が興味を持たなければ5秒でスキップされる。
- 最初の5秒が重要:冒頭で関心を引けるような工夫が必要。
ノンスキッパブル広告(スキップ不可のインストリーム広告)
ノンスキッパブル広告は、視聴者が広告をスキップできず、広告を最後まで視聴する必要がある広告です。
確実にメッセージを届けられるため、ブランドの認知向上やプロモーションに適しています。
広告の長さは15〜20秒以内と決められており、課金は1,000回表示ごとのCPM(インプレッション課金方式)となります。

▼メリット
- 確実にメッセージを伝えられる:最後まで視聴されるため、ブランドの印象を強く残せる。
- 短時間で訴求できる:短い時間でインパクトのある広告を配信可能。
- ブランド認知向上に最適:多くの視聴者にリーチできる。
▼デメリット
- 視聴者のストレスになる可能性:スキップできないため、嫌がられる可能性がある。
- 長尺のメッセージには不向き:広告の尺が15~20秒以内に制限されているため、伝えられる情報が限られる。
バンパー広告(6秒の短尺広告)
バンパー広告は、6秒以内の短いスキップ不可の広告です。
短時間でブランドを印象付けるのに最適なフォーマットです。
視聴者の負担が少なくスマートフォンでの視聴にも適しているため、モバイル視聴者をターゲットにした広告として人気があります。
課金方式はCPM(1,000回表示ごとの課金)です。

▼メリット
- 短時間で印象を残せる:6秒間の短い動画のため、テンポよくメッセージを伝えられる。
- モバイル視聴に最適:スマホユーザーにとってストレスが少なく、視聴完了率が高い。
- 他の広告と組み合わせやすい:ノンスキッパブル広告やスキッパブル広告との併用が可能。
▼デメリット
- 情報量が限られる:6秒では十分な説明ができない。
- ブランディング向け:直接的なコンバージョン獲得には向かない。
YouTubeインストリーム広告の課金方式
YouTubeインストリーム広告には、主に 「CPV(Cost Per View)方式」 と 「CPM(Cost Per Mille)方式」 の2つの課金方式があります。
広告の種類によって課金方式が異なるため、配信目的に応じた適切な方式を選ぶことが重要です。
1.CPV(Cost Per View)方式|スキッパブル広告
CPVは、スキッパブル広告に適用されている課金方式です。
- 視聴者が 30秒以上視聴する(30 秒未満の広告の場合は最後まで視聴する)、または広告を操作した場合に費用が発生する。
- 30秒未満でスキップされた場合は課金されない。(費用の無駄が少ない)
- CPVの費用相場は、1回の視聴あたり5~15円。
▼CPV方式のメリット
- 無駄な広告費を抑えられる。(スキップされた場合は課金なし)
- 広告している商品やサービスに興味のあるユーザーにだけ広告費を支払う仕組み。
▼CPV方式のデメリット
- 広告の内容が視聴者にとって興味を引けるものでないと、スキップされて視聴につながりにくい。
2.CPM(Cost Per Mille)方式|ノンスキッパブル広告・バンパー広告
CPMは、ノンスキッパブル広告、バンパー広告に適用されている課金方式で、「リーチ」や「ブランド認知度向上」を目的とした配信に向いています。
(※配信目的によっては、スキッパブル広告でも利用可能)
- 広告が1,000回表示されるごとに課金。
- リーチや表示回数を最大化するために効果的な課金方式のため、ブランド認知を向上させたい場合に適している。
- CPMの費用相場は、1,000回表示あたり500~2,000円。
▼CPM方式のメリット
- 確実にメッセージを届けられる。(スキップ不可のため)
- 短時間でブランド認知を高められる。
▼CPM方式のデメリット
- 視聴者にとってストレスになる可能性。(特にノンスキッパブル広告)
- 費用対効果が低い可能性もある。(スキップ可能な広告よりも割高になることがある)
YouTubeインストリーム広告の活用ポイント
ここからは、YouTubeインストリーム広告を最大限活用するための具体的な戦略を解説します。
1.効果的なクリエイティブの作成
YouTube広告は視覚的・聴覚的に訴えかける広告手法であるため、クリエイティブの質が広告の効果を大きく左右します。
特にスキッパブル広告(TrueView)では、最初の5秒が勝負です。
視聴者に「見たい」と思わせる工夫が必要です。
最初の5秒で視聴者を引き付ける
スキップ可能な広告の場合、視聴者の約90%は5秒以内にスキップすると言われています。
そのため、最初の5秒でインパクトを与えて視聴者の関心を引くことが最重要です。
▼効果的なテクニック
- 意外性のある映像・セリフを入れる。(「えっ?」と思わせる内容)
- 視聴者に問いかける。(例:「あなたは○○に困っていませんか?」)
- ブランド名・商品名を冒頭に出す。(スキップされても認知される)
- ストーリー性を持たせる。(続きを見たくなる構成)
映像と音声を活用し、視覚的・聴覚的にアピール
YouTube広告は、視覚・聴覚の両方に訴求できるのが強みです。
映像だけでなく音楽・ナレーション・効果音を活用することで、より強くメッセージを伝えられます。
▼クリエイティブのポイント
- 音声なしでも伝わるテロップを入れる。(スマホ視聴者向け)
- ブランドカラーやロゴを活用。(認知度アップ)
- メッセージを絞る。(情報を詰め込み過ぎて、メッセージが伝わらないリスクを軽減)
- テンポよくカットを切り替える。(視聴者を飽きさせない)
- 高画質な映像を使用する。(プロフェッショナルな印象を与える)
明確なCTA(行動喚起)を入れる
視聴者に行動を促す「CTA(Call to Action)」がなければ、広告の効果は半減します。
CTAを動画内・終了画面・ボタンなどに設置し、視聴者に次のアクションを促しましょう。
▼効果的なCTAの例
- 「今すぐチェック!」(ウェブサイトへの誘導)
- 「無料サンプルを申し込む!」(資料請求)
- 「期間限定セール開催中!」(購入を促す)
2.ターゲティングの最適化
YouTube広告では、広告の目的(認知・関心喚起・コンバージョン)に合わせて、適切なターゲティングを行うことが重要です。
興味・関心、行動履歴などに基づいたターゲティングによって無駄な広告費を削減し、目的に合った効果を高めることが可能です。
興味・関心ベースのターゲティング
YouTubeでは、視聴者の興味・関心に基づいて広告を配信できます。
例:「フィットネス」に関心のあるユーザーにスポーツジムの広告を配信
検索履歴を活用したカスタムターゲティング
Google検索で特定のキーワードを検索したユーザーに対して広告を配信することが可能です。
例:「ダイエットサプリ」を検索した人に、関連商品の広告を配信
リマーケティング(過去訪問者への広告配信)
過去に自社サイトやYouTubeチャンネルを訪れたユーザーに広告を配信することで、コンバージョン率を向上させます。
例:ECサイトで商品をカートに入れたが購入しなかったユーザーにリマインド広告を表示
3.KPIの設定と効果測定
YouTubeのインストリーム広告では、視聴者の関心を引き、ブランドの認知やコンバージョンにつなげることが重要です。
そのため、以下のKPIを設定し、効果測定を行いましょう。
視聴回数
YouTube広告の視聴回数は、ユーザーが広告を一定時間視聴した、またはインタラクション(クリックなど)を行ったときにカウントされます。
視聴とみなされる条件は広告の形式によって異なります。
一般的には30秒以上の視聴や広告の最後まで再生された場合、または広告をクリックした場合などが対象です。
視聴率(View Rate)
視聴率は広告が表示された回数のうち、実際に一定時間(通常は30秒以上、または最後まで)視聴された割合を示す指標です。
▼測定方法
視聴率(View Rate)=(視聴回数 ÷ 表示回数)× 100%
▼改善ポイント
- 最初の5秒で視聴者の興味を引くストーリー展開にする。
- 魅力的なビジュアルや音楽を使用する。
- ターゲットに合った広告配信。(デモグラフィック・興味関心)
平均広告視聴単価(CPV:Cost Per View)
平均広告視聴単価は、1回の広告視聴あたりにかかった平均費用を示す指標です。
広告のコスト効率を確認するために役立ち、パフォーマンスを比較・改善する際の重要な指標となります。
▼測定方法
平均広告視聴単価(Cost Per View)= 広告費 ÷ 視聴回数
コンバージョン率(CVR:Conversion Rate)
YouTube広告におけるコンバージョン率とは、広告が視聴されたとカウントされた後に、視聴者が商品購入や問い合わせ、アプリのダウンロードなど、あらかじめ設定された目標行動(コンバージョン)を達成した割合を示します。
▼測定方法
CVR =(コンバージョン数 ÷ 視聴回数)× 100%
※ただし、バンパー広告は視聴回数が計測されず、クリック数がカウントされる。
バンパー広告のCVR =(コンバージョン数 ÷ クリック数)× 100%
▼改善ポイント
- ランディングページの最適化。(UI/UX改善・情報整理)
- 広告の内容とランディングページの整合性を保つ。
- 限定オファー(割引・無料体験など)を提供する。
ビュースルー コンバージョン(VTC:View Through Conversion)
ビュースルーコンバージョンは、広告が表示された後、視聴カウントやクリックが発生しなくても一定期間内にユーザーがコンバージョンに至った場合にカウントされます。
広告表示だけでコンバージョンに至ったユーザーに対する広告の効果を確認できるため、広告の間接的な効果を可視化したり、ブランディングや認知施策の評価に役立ちます。
エンゲージメント率(Engagement Rate)
YouTube広告におけるエンゲージメント率は、視聴者が広告を10秒以上視聴する、クリックするなど、なんらかの操作(アクション)を行った割合を示す指標です。
広告が表示された中で、どれだけ視聴者の関心を引いたかを測ることができ、効果的な訴求ができているかの判断材料として活用されます。
▼測定方法
エンゲージメント率 =(エンゲージメント数 ÷ 広告の総インプレッション数)× 100%
▼改善ポイント
- 冒頭数秒で視聴者の注意を惹きつける映像・コピーにする。
- クリックを促すCTA(例:「今すぐチェック」)を設置する。
- 広告のストーリー性を強化して共感を生む。
まとめ
動画広告は、視覚と聴覚に訴えかけることで高い訴求力を持ち、幅広い業界や目的に対応できるマーケティング手法です。
新商品やブランドの認知拡大、SNSを活用したターゲットへのアプローチ、商品の使い方や魅力を直感的に伝えるなど、様々な場面で効果を発揮します。
一方で、制作や配信にコストがかかることや、視聴者の興味を引くための工夫が必要といった課題もあります。
しかし、これらをクリアすれば、動画広告は企業や個人にとって強力なツールとなるでしょう。
デジタル広告運用なら「株式会社グラフトンノート」にお任せください!
株式会社グラフトンノートのデジタル広告運用は、一人の運用担当者が全媒体・全工程を一貫して担当します。
また、GA4やGoogleタグマネージャー、データフィードといったアドテクノロジーにも精通しており、技術面でも強みを持っています。
マーケティングとエンジニアリングの両軸を兼ね備えたメンバーが揃っている弊社は、デジタル広告領域において幅広いビジネス支援を実現しています。
常に最新技術をキャッチアップすることが求められるデジタル広告運用ですが、一人で行うのではなく、技術的なサポート体制が整っている弊社と一緒に進めてみませんか?
まずは、ご気軽に株式会社グラフトンノートにご相談ください!

- 動画広告
- マーケティング
- 広告運用