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サッポロビール様 インタビュー『5年連続で社内販売計画を達成し続けた組織体制と広告代理店とのリレーションシップ』

  • 2023.6.28

小売業界においてますます存在感を強めているAmazon.co.jp(以下、Amazon)において、サッポロビールは社内販売計画を5年連続で達成中。グラフトンノートは2017年からサッポロビールの広告運用支援でパートナーとして取り組みが始まり、広告経由の売上から社内販売計画達成に寄与している。今回は社内販売計画を5年間達成しているチームの体制づくりと広告代理店とのリレーションシップについてお話を伺った。

―まずは自己紹介からお願いします。

サッポロビール大場 サッポロビール流通営業本部、流通統括部の大場です。流通営業本部は小売店への営業を行う部署です。私が所属しているのはその中のECチームです。ECチームのミッションは、EC売上の拡大、特にAmazonでの売上拡大です。私大場は、ワイン・洋酒・和酒に関しての企画や、広告運用周りが主な役割です。

―現在の担当領域はECということですが、デジタル領域の仕事はこれまでもされていたのですか?

サッポロビール大場 ECチームの前はワイン営業部の営業担当として西日本エリアで勤務していました。日々飲食店、ホテルのレストランを回っておりました。今はデジタルで勤務地も東京ということで、真逆の世界に来たような感覚です。

―かなり大きな変化ですね。デジタル領域でも広告は専門用語が多く、みなさま苦労されるポイントかと思います。

サッポロビール大場 はい。ROAS(広告費用対効果を表す指標)は最初に嫌いな言葉になりました。

(一同笑)

グラフトンノート岩本 最初は覚えるのに苦労された用語も、今やレポートを見た瞬間に一瞬で因果関係を読み解き、こちらの言いたい意図をすぐに理解していただけるほどです。我々は日々たくさんのクライアントにレポーティングしておりますが、お世辞抜きにサッポロビールさんはみなさまの理解度がものすごく高いです。

サッポロビール大場 一時サッポロビールで課題解決型を目指しましょうという時期がありました。課題解決のための原因特定で、数字をもってアプローチしようというもので、この機会のおかげで数字を読み解く力はついたと思います。

また、異動して右も左もわからない中でグラフトンノートのみなさんにAmazon広告に関する勉強会を開いていただき、専門用語を含めてわかりやすく解説してもらいました。おかげさまで自主学習のスピードと質も上がったと思います。

―ありがとうございます。話題がどんどん出てきたところでそろそろ本題に。現在社内販売計画を5年連続で達成されています。なかなか簡単にできることではないと思います。達成の秘訣は何でしょうか?

判断に悩んでアクションできないことが1番の悪

サッポロビール大場 昨今EC市場はどんどん成長し、取り巻く環境も刻々と変化しています。その中ですごく大事にしてることがスピード感です。日々の業務でも不確定要素がある中で何度も意思決定の分岐点が訪れます。選択肢を広げた中で、まず最も効果的だろうと考えられる案を試す。試してみて効果が無いようであればすぐにやめて、次に優先度の高いアクションを取ればいい。その繰り返しが、ビジネススピードを生み結果につながると考えています。

グラフトンノート岩本 サッポロビールさんはすごく判断が早くて、相談しても方針がすぐに決まるので、アクションもすぐにできます。デジタル領域は用語を始め知識レベルでの課題を挙げられることが多いのですが、それ以前にデジタル施策を実行する土台というか心構えというか、そういった部分が肝だと思っています。サッポロビールさんは担当レベルだけでなく、チームでその土台ができあがっていると感じます。特にデジタルは数字指標で語る場面が日常ですが、数字に囚われてしまい、特に効果が悪い時に反省会みたいな雰囲気になってしまうことはあるあるなのですが、サッポロビールさんにはそれがない。

サッポロビール大場 例えばROASだCPAだというのはただの効率指標であって、プロセスはCPC(クリック単価)やCVR(コンバージョンレート)、ターゲティングの選定などにあるわけです。もっというと、グラフトンノートさんにプランニング・運用いただく以前に我々の意向があるわけで、その一連の結果が効率指標で表されているに過ぎません。効率に囚われるよりも参考結果として次のアクションプランに時間を割いた方が効果的です。判断に悩んでアクションできないことが1番の悪と考えています。

また、チーム内でもミスや成果が振るわないことに対して責められることはありません。そこはチームのまとめ役であるリーダーの存在が大きいです。マイナスな結果であったとしてもまず改善行動を取ってから後で一緒に振り返ってくれます。「じゃぁこれからどうしようか」と、常に未来志向で業務に向き合える風土を作ってくれています。そうした後押しがあることで、自信をもって判断・実行できている部分がたくさんあります。

グラフトンノート岩本 スピーディに判断しアクションしていくという点で象徴的なエピソードがあります。とある年のブラックフライデーの時だったのですが、セール初日に管理画面のバグが発生したことがありました。ブラックフライデーはAmazonの中でもとても重要なビッグセールです。時期も11月末-12月頭にかけて開催されるので、時期的にも社内販売計画達成が掛かった大一番です。そんな中での管理画面バグ。具体的には、広告費は反映されているけど、売上が想定よりも少ない。ゼロとかであればすぐにバグだと判断できますが、「もしかしてただ広告成果が悪すぎるだけなのか?」とも言える絶妙な数値の出方で、当時はバグかどうか判断がつかなかったんですね。

サッポロビール大場 ありました、ありました。岩本さん、すぐに電話を掛けてくれましたよね。

グラフトンノート岩本 はい。取り急ぎ状況を伝えるとともに、予めプランニングしていた予算投下を続けるか、一旦投資を緩めるかご判断いただくために連絡しました。セールは1日の遅れが命取りで、ブラックフライデーともなると影響は計り知れません。一刻を争う状況でした。そんな中で大場さんにお電話すると「投資を続けましょう」と即答いただきました。不確定要素が高い中でこのような大きな決断をすることは決して容易ではなかったと思います。

サッポロビール大場 報告を受けた際に「さぁ困ったぞ」と(笑)。でも一方で思ったんですね。ここで落としたら後の挽回はほぼ不可能だと。だったらもう「いってしまえ」と。バグかもしれないし、バグじゃないかもしれないけれど、どちらであった場合も後に活きる方、可能性が高そうな状況を想像したときに、やり過ごすといった選択肢はあり得ませんでした。ここでも「判断に悩んでアクションできないことが1番の悪」という考えが活きました。

受け継がれる開拓者精神

―「やり切ろう」という意志をすごく感じます。このあたりは大場さんが元々持ってらっしゃるマインドなのでしょうか。

サッポロビール大場 これは私自身というのもあるのかも知れませんが、サッポロビールには「開拓者精神」というマインドがあります。その考え方に影響されている部分があると思います。

―詳しくお教えいただけますか?

サッポロビール大場 はい、サッポロビールの原点はかつて国が事業として北海道を開拓していく過程の1876年に日本人の手による初のビール工場「開拓使麦酒醸造所」を開業したことにあります。翌年の1877年には北極星をシンボルマークに掲げた「札幌ビール」という国産ビールの醸造に成功することになるのですが、たくさんの困難を乗り越えた先に成し遂げた偉業です。“ゼロから、新しいモノ造りに取り組む”という精神を「開拓者精神」と呼んでいるのです が、現在までサッポロビールの魂として受け継がれています。

―素晴らしいですね。ECチームでも「開拓者精神」は遺憾なく発揮されていると感じます。

サッポロビール大場 ECチームは直接ビール・お酒造りに関わる部署ではありません。しかしECという市場を開拓し、サッポロビールの商品をより多くの方々にお届けし・飲んでもらうという意味では我々もまた”モノ造り”に関わっているのだと考えています。そうした開拓者精神をもって日々業務に励んでいます。

―素晴らしい精神です。ベンチャーを謳っている我々も大いに共感する部分があります。

方針と運用の連動

―お話を伺う中で、両社間での密な連携が光るシーンを感じます。他にもエピソードはありますか?

グラフトンノート山﨑 とある商品で大きめの広告費投下を予定していた時のことが印象に残っています。売上期待値も高いこともあり、事前にプランニングを入念に行い、しっかり準備していました。ところが直前になって諸事情で販売ができなくなってしまいました。

サッポロビール大場 ありました。あの商品(商品名伏字)ですね。ブラックフライデーの時とはまた違って、なかなかたくさんの判断を強いられた時でした。ある程度の予算規模だったため、突如その予定がなくなってしまうと調整が大変です。悲しいかな目標は変わりませんので(笑)

グラフトンノート山﨑 全体目標が変わらない中で投資をどのように再分配するか、数あるカテゴリーや商品の中からの検討となるため、判断が難しい局面もおありだったと思います。

サッポロビール大場 そうですね。判断自体の難しさはもちろんですが、全体に関わるような大きな方針転換の際は自分たちだけで決められない部分も多くあり、関係各所に確認したり調整したりして進めています。一方で我々の方針が変わることで広告運用にも大きな影響が出ることもありますが、そのあたりはグラフトンノートさんにいつも細かく対応いただいております。

グラフトンノート山﨑 方針は決まったけれど、広告運用にその方針が落とし込まれていないことは”あるある”です。私たちとしても運用効率を上げていくのは当たり前としつつ、こうした「抜けがない状態」をいかに作るかというのは日々考えています。

サッポロビール大場 グラフトンノートさんはサッポロビールの状況を踏まえて対応してくれるので助かっています。例えばあるカテゴリーで客単価アップを図るべく、高単価商品のバリエーションを作ったのですが、既存の広告配信グループと一部重複してしまうということがありました。グラフトンノートさんにはそこをうまく調整し、さまざまな意図で配信されている広告アカウント1つ1つが成立するようチューニングいただきました。広告アカウントは小さな設定の積み重ねだと思うので、方針転換に伴って大きくアカウント構成を変えるのは大変だと思います。にもかかわらずサッポロビールの状況に合わせてスピーディに対応いただき感謝しております。

グラフトンノート山﨑 達成に向けたサッポロビールさんの意気込みに我々も感化されています。通常であれば躊躇ってしまうような場面でも、大場さんはじめ、頑張っているみなさまのためにも「私たちも頑張らなければ」と勇気づけられています。サッポロビールさんの方針と広告運用がうまく連動できるよう、できる限りのことはしたいと思っています。

サッポロビールとグラフトンノートで築き上げたパートナーシップ

―密な連携と信頼関係が窺えます。広告運用の取り組みも、現在6年目に突入しています。こうしてパートナーシップを続けられる秘訣は何でしょうか。

サッポロビール大場 丸投げしないことです。現状を詳しく伝えて目的を整理した上で、意見や助言をもらうスタンスで相談することですね。単なるクライアントと広告代理店ではなく、グラフトンノートさんはパートナーだと思って接しています。

グラフトンノート岩本 我々も広告主の言う事を何でも鵜呑みにするのではなく、何をやるにしても考えられる限りのメリット・デメリット、リスクをお伝えするようにしています。社内販売計画達成に向けしっかりと価値をお返しできるよう、時には言いにくいことも、お伝えすべき時にはお伝えするということを大事にしています。

―両社とも、人の入れ替わりもありました。

サッポロビール大場 サッポロビールはジョブローテーションがありますので人事異動は常です。当然人の入れ替わりはあるのですが、担当が変わってもしっかりと対応できるようこれまでの土台を作り上げてくれた先輩たちの力があってこそだと感じています。特に現在のリーダーは長らく当チームに所属しており、受け継ぐものが多くあります。

グラフトンノート岩本 実は5年前の2018年にサッポロビールさんと弊社でインタビューを受けた記事があったのですが、当時は大場さんも私も担当ではなかったですよね。そのインタビューを見返してみたら「対等に話し合って新しいことができるような関係を築きたい」とお話いただいていて、弊社との関係性も現在までしっかり引き継がれつつ、よりアップデートされていると感じます。

※その記事はこちら

―ありがとうございます。最後に、今後の目標はありますか

サッポロビール大場 そうですね、EC業態の広告プロフェッショナルになりたいと思っています。 例えば、スポンサーブランドからストアに遷移する、ストアを充実させる、ディスプレイ広告・動画広告でブランドの世界観を伝えるとか、広告手法は新しいものがどんどん出てきていますので積極的に取り入れて試していきたいです。同時に、売上以外の指標を考える必要があります。最近ではブランドに対して新規購入率を追えるような指標(New To Brand)も出てきています。手法と効果測定をうまく組み合わせて可能性を最大化したいと考えています。

後はグラフトンノートさんと同じ目線で話し合える今の関係を続けていきたいです。グラフトンノートさんはサッポロビールの商品や人をすごく好きでいてくれているなと感じます。自分たちの商品のように運用してくれるんですよね。この熱量が我々からするととても嬉しくて、グラフトンノートさんは、僕らのマインドや目的、そういった大前提の部分から、同じ目線を向いてくれて、要望の意図を汲み取って提案してくれるんですよね。それが信頼できるポイントです。そこを続けていきたい。

グラフトンノート岩本 最近はAmazon広告に限らず色々とご支援の機会をいただくことが増えており、この関係性が広がっていて嬉しいです。

サッポロビール大場 これまで一緒に築いてきた信頼があるからこそ、別の部署から相談があった際もグラフトンノートさんをご紹介しています。

グラフトンノート岩本 弊社でウェブサイトをリニューアルする際に、「想像以上を、ずっと共に」というタグラインをつくりました。社内では想像以上を”レベチ”、ずっと共にを”ズッ友”として「レベチなズッ友」と呼び変えているんです。今のお話を伺ってサッポロビールさんにも 「レベチなズッ友」だと感じてもらえている気がして嬉しいです。

サッポロビール大場 確かに、今お話した今後も一緒にやっていきたいと思った理由を一言にすると、「レベチなズッ友」だからになりますね。言うのは簡単ですが、レベチはスキルがあってこそですし、友達も本当に友達になれる関係って結構難しいですよね。でも、グラフトンノートさんはその空気感をうまく作り上げていますね。

グラフトンノート岩本 サッポロビールさんとはビジネスから一歩踏み込んで人間的に繋がらせていただいてると感じています。本当にありがたいですし、今後もお互いに刺激しあえる関係を続けて行きたいと思います。よろしくお願いします!