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セッション

WORKS

Re.graphtone note/コーポレートサイトのリニューアルを振り返って

  • 2022.11.28

2022年1⽉から始まったグラフトンノートリブランディングプロジェクト。

本プロジェクトの⼀環としてリニューアルを進めていたコーポレートサイトが、本日公開を迎えました。コーポレートサイトの公開にあたり、わたしたちは会社の在り方、思想、理念など、メンバー全員で様々なテーマをもとに議論を交わし、一つひとつ想いを込めて言葉を選び、「グラフトンノートとは何者か?」と考えてきました。

この記事では、矢野 哲快(代表取締役)、鎌田 真行(代表取締役)、岩本 遼(ビジネス支援本部 3部 副部長)、仙葉 千尋(ビジネス支援本部 コンサルティングユニット)と、リブランディングを支援してくださった萩原 雅貴さん(株式会社ポケット)の5人で本プロジェクトを振り返ります。

(トーク日/2022.11.17.thu)

グラフトンノートとは何者なのか?

萩原
プロジェクトが始まって約1年。当初はコーポレートサイトのリニューアルのみの予定でしたが、それがリブランディングにまで至った経緯を改めて教えてください。
矢野
人が増え、いよいよ組織をしっかり作らなければと思ったときに、まずは1ページしかなかったコーポレートサイトを変えようよ、という話になりました。せっかくサイトをリニューアルするなら「会社ってなんだろう?」「働くってなんだっけ?」みたいなことをみんなで考えながらつくれば、サイトをつくり変えることが「会社をつくること」「会社を変えること」に繋がるんじゃないかと思ったんです。
鎌田
私たちは、事業こそ順調だったんですが、自社の組織面がずっと停滞していました。それは言い換えると、文化、カルチャーが、まとまっていなかったんですね。つまり、サイトをリニューアルするといっても、元となるブランドづくりができていなかった。「私たちはこういう会社だよね」っていう土台がないと、中身が曖昧になってしまう。だからこそ、リブランディングが必要でした。
矢野
僕たちは今、広告運用をメイン業務としていますが、ゆくゆくはビジネス自体を支援できる存在になろうと考えています。そうなるために、僕らはまず「エンパワーメント(Empowerment)」「ディスクローズ(Disclose)」「コネクテッド(Connected)」という3つのキーワードを掲げました。
中でも僕と鎌田さんは、特に「エンパワーメント」を意識しました。グラフトンノートに、熱狂して仕事をする環境や当事者意識を根付かせるには、会社のことをみんなが自分で決めて、自分で作っていくことが大事だと思ったからです。だからまず「何をエンパワーメントするか?」と考えたとき、新しく「ビジネス支援本部」という部署を作って、岩本さんと山下さんにマネジメントをお願いしました。そして、今回のプロジェクトのすべてを、僕たち役員が決めるんじゃなくて、岩本さんたち任せようと思いました。みんなが主役の会社なんだよってことを実感してほしかったんです。
岩本
以前の僕らは、一つひとつの案件に対するクオリティは高かったんですが、じゃあ「グラフトンノートの一員としてはどうか?」と問われたら、一枚岩ではなかったように思います。だから矢野さんから「意識を変えたい」「組織を変えたい」と聞いたとき、今まで以上に変わっていかなきゃいけないんだ!という意志が芽生えましたね。

まずは、同じ熱を感じることから。

萩原
プロジェクトでは、最初に矢野さんと鎌田さんの歴史を振り返りましたが、ずいぶん長い時間をかけて過去を共有しましたよね。なぜ、あそこまで歴史に重きを置いたんですか?
矢野
このプロジェクトは「会社づくり」と位置づけていたので、僕らの歴史を知ってもらえば、僕たちが何を考え、何を思ってグラフトンノートをつくったのか、わかってもらえるはずだと考えたんです。
岩本
お二人の経歴は知っていたんですが、会社設立の想いやそこに至るまでの経緯は、あのとき初めて知りました。おかげで点で知っていた部分がすべて繋がったので、とても印象に残っています。
鎌田
まさにあれが今回つくった行動指針にもある「事実の輪郭を成す感情や動機、また根本にある本質を見定める」ですね。私の意見や発言は、私のバックボーンを知らなければ本質まではわからない。そういう意味でも、あのステップは大事だったと思います。
矢野
一般的には創業者の歴史なんてまず聞かないよね。でも、このプロジェクトは熱意が大事だから、僕はどこかでみんなの心を刺す必要があると思っていたんですよ。僕が今まで生きてきた中には、感動とか葛藤とか、心が震える瞬間がいっぱいあって、それはすごく心に刺さった。だからきっと、そういう僕の話をしたら、みんなの心にも何か残せるんじゃないかと思ったんだよね。
岩本
実際、刺さりましたね。
鎌田
話が終わった後、なんだかみんな、ほくほくしてたよね(笑)。コネクテッドの始まりを感じました。
岩本
ミッションとか社訓って、すごく聞こえのいい言葉が並ぶと思うんです。でも、そういう言葉って、歴史や想いを知らないとなかなか腹落ちしない。だけど今回その根源を知って、自分にも似た想いがあったのか、妙に心に響いたんですよね。だから、今までただの言葉でしかなかったものが、自分の言葉で語れるようになりました。営業をするときにも変わったなあ、と実感します。ワークショップ中、ずーっと言葉を探して右往左往して考えたプロセスは、いい経験でした。

ひとりずつ、少しずつ。変化の兆しは確実に。

萩原
他にも、ワークショップを経て実感した変化はありますか?
岩本
商談の際、会社概要を話すときに伝えるポイントが変わりました。「御社の強みは?」と聞かれたとき、今までは少人数でも経験者が多くて人の質が高い、とお話ししていたんですが、今は一気通貫でサービスを提供できる点も合わせてお伝えてしています。広告運用だけではなく、目的を知り、目標設計にも一緒に取り組み、その上で広告にも対応する。そういう一連の流れを提供できるところが強みだと自信を持って言えるようになりました。
矢野
セミナーや無料相談会で岩本さんを見ていると、お客様との向き合い方が変わったと感じるね。クライアントには目標数字があるから、その数字を達成するために「これをやりたい!」と僕らに依頼がある。そこで岩本さんは「なんでその数字なんですか?」って相手の前提や背景まで知ろうとするんですよ。相手が「本当はどうしたいのか」という部分まで考えてコミュニケーションしているんだと思いましたね。
仙葉
わたしは、ワークショップが始まってから入社したんですが、入社してすぐにこのプロジェクトに参加できてよかったと思っています。みなさんと一緒に歴史を知ったり、言葉の意味を考えたりしたおかげで、会社に対する理解度が格段に上がりました。実はわたしは人見知りなんですが、最初にああいう積極的に話していいよって思える場に入れてもらえたおかげで、今みたいにたくさん話せるようになれたと思うんです。もし、最初がクローズドな環境だったら、今も人見知り中でおとなしかったかもしれません。

グラフトンノートらしさを、このひと言に託す。

萩原
ワークショップ中に鎌田さんがおっしゃった「私たちは専門家というよりカウンセラーなんです」という言葉が、とてもグラフトンノートさんらしくて印象的でした。そこからアイデンティティにもある「ズッ友」というキーワードが生まれて、「想像以上を、ずっと共に」というタグラインへつながりましたね。
矢野
僕たちは難度の高い問題を解決するプロフェッショナルですが、常にフランクで、みんなで手を取り合って「やったぜー!」と喜べるズッ友感を大切にしたいんです。ブランドストーリーにある通り、挑戦のその先で「できた!」と花開く瞬間が僕たちにとって最高の喜びで、何かを乗り越えて突破した先へみんなで一緒に到達したい。到達点にたどり着いた喜びを分かち合いたい。「想像以上を、ずっと共に」には、そういう仕事をつくれたら最高だよね、という想いも込められているんです。「想像以上を、ずっと共に」を支える言葉には、ブランドストーリーがあって行動指針もある。ワークショップを通して生み出した言葉たちは、全部繋がっているんだと改めて思います。
岩本
タグラインの「想像以上を、ずっと共に」は、僕たちのアイデンティティとして決めた「レベチなズッ友」の言い換えなんですよね。
萩原
そうですね。「想像以上」ってことはレベチじゃないといけない。グラフトンノートさんは、本質的な課題は何か?と考えた上で提案してくれるから、自然と「想像以上」が出てくるんでしょうね。このタグラインには「グラフトンノートらしさ」が存分に込められています。その「らしさ」を求めている人が必ずいるので、たくさんの人に伝わってほしいですね。

みんなでとことん、最後まで。

萩原
当初は変更予定になかったロゴも新しくしようと決めた理由はなんですか?
仙葉
ワークショップを繰り返しながら、みんなでずっと会社について考えてきたので、せっかくならロゴも自分たちが参加して作れたらうれしいなぁと思ってリニューアルをお願いしました。
岩本
タグラインなどをつくる際、どんな想いを言葉を乗せるか考えるプロセスがとても大切だと感じたので、ロゴにも想いを乗せた方がいい!と、自然に思いましたね。
矢野
ロゴやコーポレートサイトは、ブランドにおいて大事な要素だけど、それらを決めるプロセスを「みんなで通った」ってことが一番大事だったと感じますね。ロゴもサイトも結果の一つで、結果よりも結果に到達するまでの道をともに歩んだことこそが、このプロジェクトの醍醐味でした。この道をみんなで辿れて本当によかった。「ロゴに込められた意味はこうだよって発信すること」と「ロゴをつくるためにみんなでたくさん会話したこと」って、どっちが一体感を生むかといえば絶対に後者ですよね。
鎌田
それがコネクテッドの一番大事にしたいところですね。

リブランディングの先にあるもの。

萩原
この1年で、これまで抱き続けていた葛藤や問題点は解消されましたか?
矢野
すっかり解消しました!
鎌田
最近は楽しいですね。以前は現状や過去のことばかりで、先を考えられなかったけれど、今は「想像以上をどうやってつくろう?」と未来志向になっています。
仙葉
未来の話といえば、今回のプロジェクトで、わたしはとても丁寧に会社の思考や仕事の仕方を教えてもらえたと思っているんです。だから、今後入ってくる人たちに、これをどう伝えたらいいのかすごく悩みます。それをどう実現するかがこれからの課題ですね。本当は毎回ワークショップをやりたいんですけど(笑)。
岩本
これから加わる人たちはもちろん、お客様にも僕らの価値を伝えていかなくちゃいけない。だから、日常的に僕らの価値を体現しつつ、社内では節目節目でワークショップみたいな振り返る会をやりたいですね。
矢野
今回、長い時間をかけてワークショップに取り組んだことで、みんなの共通認識が整ったよね。多分、これが一番の成果だったと思いますよ。みんな「わたし」や「僕」じゃなくて、「わたしたち」「僕たち」という括りで物事を考えるようになった。
鎌田
そう、今はチームというか、会社全体で仕事ができていると強く感じます。
最近は、みんながみんな、お互いのことをよく知り合っている状態ですね。だからといって、みんなが同じ仕事をしているわけじゃないんだけど、誰かが困っていたらすぐに助けの手が差し伸べられる。そういう「ひとりじゃない安心感」があるのはいいですよね。
矢野
この前も、みんなそれぞれに忙しくて、情報があっちこっちしてディスコネクテッドになってしまったときがあって。そのとき、仙葉さんがすかさず「今ディスコネクテッドになってませんか!?とりあえず集まりましょう!」って感じでミーティングを開催してくれたんですよ。すごくないですか?これがまさに成果ですよね。
岩本
そう考えると、当初予定していたサイトリニューアルより「想像以上」の成果が出ましたね。
矢野
そうそう!上手いこと言うね!!
矢野
仙葉さん主催の緊急ミーティングのときに、タスクをこうすればよかったああすればよかった、って考えることが本質ではないとわかったんです。本質は、情報を知らないことによるモヤっと感や置いてけぼり感が問題だと、お互いに気づくことだった。そこで僕たちは、もっとコネクテッドを意識しなくちゃいけないねって、みんなで反省したんです。もう、めっちゃいい会社だな〜!って思いましたよ(笑)。
仙葉
チャットの中でお話できても、やっぱりなんかモヤモヤするというか。私的には、何を話せばいいかはわからなかったんですが、モヤモヤを共有したいから話しませんかっ!って感じで皆さんに声をかけました。
萩原
今後は、お客様にもコネクテッドを体感していただきたいですね。
岩本
そうですね。最近はチームビルディングなどのご提案機会も増えています。今回、ポケットさんから外部の客観的な意見や視点をいただいて、一枚岩になるきっかけを貰ったと思っているんですが、僕たちもお客様にそういうきっかけを提供していかなければいけないと思っています。そのために、広告というのは枝葉の一つ、手段のひとつだと考えるようになりました。
萩原
客観的な視点と言っていただきましたが、たとえば僕がお客様だったとしても「グラフトンノート」というブランドは、本当におすすめしたいブランドです。たくさんの人に、このブランドの世界観を体感してほしいですね!
岩本
引き続きインナーブランディングは継続していきますが、これからもみんなを巻き込んで、炎を燃やし続けられるようになりたいと思います。

あなたと。想像以上を、ずっと共に。

最後に、ここまで読んでくださったみなさまへ。
「想像以上を、ずっと共に」という言葉は公式なタグラインですが、「想像以上」は「レベチ」、「ずっと共に」は「ズッ友」という意味があり、社内ではわたしたちのアイデンティティとして「レベチなズッ友」と言ってます。

今回のプロジェクトを通して、社内の共通認識が整い一体感が醸成できました。こうした仕事で得られた感動を、社内だけでなくすべてのステークホルダー(これを読んでくださったア・ナ・タ♪)とともに分かち合えることを願っています。