コンタクトフォームへ

Menu

グラフトンノートロゴマーク グラフトンノートロゴ下ライン

セッション

WORKS

SPECIALIZED 様 インタビューセッション

  • 2022.11.28

スペシャライズド・ジャパン合同会社(以下スペシャライズド)はカリフォルニア州に本拠を置く、日本を含むアジア・ヨーロッパ・南米など世界28か国にオフィスを持つ総合自転車メーカーだ。

グラフトンノートは主にECへの集客支援からブランディングに至るまで幅広いサポートを行っている。今回はスペシャライズドの谷口さん (上部写真右) とレオンさん (上部写真左) にお越しいただき、弊社とのパートナーシップについてお話しいただいた。

谷口
スペシャライズド・ジャパンの谷口です。弊社は自転車の総合ブランドになります。1974年 にカリフォルニアで設立されて、当初は自転車部品の卸しからスタートしたのですが、やがて自分たちで作るようになって、世界で初めてマウンテンバイクを量産したメーカーになります。日本を始め世界中に拠点があり、日本のオフィスは、神奈川県の厚木にあります。
私とレオンはマーケティングの組織に属しておりまして、私がECの統括と、ECの他、カスタマーサービスも担当しており、9月からレオンがデータ分析のマネージャーとしてチームに加わりました。
矢野
世界的なブランドですよね。
谷口
日本ではまだまだ一般の知名度はそんな高くないのですが、スポーツバイクの中ではビッグブランドの一角であると自負しています。特にロードバイク好きの方たちからは商品レベル・クオリティの高さは支持いただいております。

自転車とECは相性が悪い?

矢野
弊社では現在、主にECへの集客としてGoogle広告の運用をお任せいただいております。自転車をECで販売するとなると、どういったプロモーションの仕方になるのでしょうか。
谷口
自転車は整備や組み立てがあり、買って送ってそれでおしまいではないため、もともとECとの親和性は高い方ではありません。そこで 弊社としてまずやり始めたのがクリック&コレクトという、いわゆる店頭受け取りです。オンラインで購入して、近くの(スペシャライズドと取引のある)自転車ショップで受け取るという形でECをスタートしました。日本では弊社が先駆けとなる取り組みでした。
次のステップとして現在は自宅配送の対応を拡大しています。コロナ禍もあって家で全て完結したいニーズも加速しました。あるゆる業界がECに注力しています。今やECは当たり前の購入チャネルになっている中で、弊社としても注文後には組み立て済で手元に届き、すぐに乗れる状態でお届けするサービスを強化しています。現在徐々に対象車種を拡大しています。

矢野

ECが立ち上がった当初は販売しているアイテムも限定的でしたよね。

谷口

そうですね。最初はアパレルやヘルメットいったアイテムを 中心に販売していたのですが、だんだん変わってきて、現在のようにメインのバイク含めて全商品を販売していくという方向に変わってきています。

矢野

谷口さんは前職の時からECの販売アイテム数や在庫増やすの得意でしたよね笑。

谷口
はい、そうですね。要領は前職と同じです笑
矢野
谷口さんは前職では世界的なスノーボードメーカーに在籍されていましたが、グローバルブランドの中で立ち回っていくのは誰にでもできるものではないと思います。流石です。

またグラフトンノートと仕事がしたかった

谷口
懐かしいですね。前職時代からなので、初めて矢野さんとお仕事したのは2016年。もう6年ですか。
矢野
時が経つのは早いですね。当時のことを振り返っていただいてもよろしいですか?
谷口
当時はリスティング広告の運用に課題があって、代理店選定含め改善の必要があると感じていました。その際に当時ECのフルフィルメントを支援いただいていた会社から矢野さんをご紹介されました。
当時矢野さんはグラフトンノートを立ち上げたばかりで、これからという状況でしたね。実際にご提案を伺う中で、弊社の状況をしっかりリサーチして打ち手を考えてくださっているのがわかり、運用をお任せしたのがきっかです。そこから2-3年ですかね?
矢野
2016年の7月からご一緒させていただきましたので、2年ほどになります。
谷口
それからはECもどんどん売上が増加していって、毎年昨対・目標を超えて行きました。しかしながらグローバルのECにおける方針転換などもあり、自分も転職するに至りました。
スペシャライズド入社後は広告関連も自分がマネジメントすることになりました。当時は別の広告代理店が運用を行っていたのですが、何というか、物足りなくて。やっぱり矢野さんだなと思って連絡させていただきました。予算はだいぶ小さくなりますが、またお願いできますか!って。
矢野
めちゃくちゃ嬉しかったです。担当冥利に尽きるとはまさしくこのことで。仕事をしていると、出会いもあれば当然別れもある。そんな中で環境が変わってもお声がけいただけるのは誇りに思いますし、「絶対また伸ばすぞ」って気合も入りますよね。
谷口
でも久しぶりにお会いするとグラフトンノートさんはどんどん成長されてて、そのうち3人ぐらい挟まないと矢野さんに会えなくなるんじゃないかと思ってるんですけどね笑
矢野
やめてくださいよ!笑
(一同笑)
でも当時実は大変で。おかげさまで案件は増えていたのですが社員の退職などもあって、100キャンペーンぐらいワンオペで対応しなきゃならない、という状況でした。お声掛けいただいて嬉しい思いもありつつ、しっかりパフォーマンス返せるかなと一抹の不安はよぎりました。でもここで断るなんてやっぱりできなくて、気が付いたら「はい喜んで」って言ってました。
谷口
僕自身2社渡り歩いて、その間にグラフトンノートさんの成長フェーズをずっと横目で見てられたので、新しいオフィスにも移られて、感無量です。

ブランドの狙いを日々の運用に落とし込むこと

鹿倉
昔話もほどほどに笑、現状についてお伺いしていきたいと思います。
現在は店舗がかなり増えてきているようですが。
谷口
そうですね。直営店は現在東京2店舗と大阪5店舗ぐらいでそれほど多くはないんですけど、既存のバイクショップのオーナーさんがフランチャイズとしてブランドオンリーストアを立ち上げていただくという形が全国的に多いですね。
鹿倉
実際店舗を見ると、ブランド直営っぽい雰囲気ですよね。
谷口
はい、それがブランド戦略というか、どこのお店に行っても同じ体験ができるように、というのが目指す姿です。町の自転車屋さんって、ちょっと入りにくいイメージあるじゃないですか。寡黙で一見怖そうな店員のおじさんがいて、みたいな。そういった印象を払拭するというか、気軽に入っていただけるように、ブランドショップに力を入れています。
鹿倉
店舗が拡充されてくるとECとの連動も期待できますよね。ここから実際に弊社との取り組みのお話に入っていきたいのですが、取り扱いのアイテム数が徐々に増え、オンラインで注文して店頭受け取りというスタイルから完成品が家に届くという変遷を辿る中で、広告をはじめ、プロモーションのこうあり方はどのように変化していったのでしょうか。
谷口
そうですね、一般的な自転車だとAmazon.co.jpなどで当たり前に販売されていますが、弊社のようなスポーツバイクだとネットで買えるという認識はなかなかされていませんでした。何十万円もするロードバイクだとやっぱりお店に行って、商談して、時間かけて買うみたいな認識がユーザー側にもあると思います。ECで買えるという認知を拡大していきたいとなった時、オーガニックによる流入だと限界があるので、そこを広告でアプローチしてきたいと考えました。
一番大事なのは検索をしているユーザーで、中でも「スペシャライズド」というブランド指名検索に対して、しっかり訴求をしていくことを重要視していました。この層にしっかり「ネットで買える」ということを認知してもらう必要があったので。
矢野
そんな中、広告運用の部分で注意していたところは?
鹿倉
インプレッションシェアを高めたいので(※)、クリック単価をどれだけ下げられるか、という基本的なところを重要視して運用していました。やはり認知度の高いブランドなので、検索量は一定数あります。一方で広告費は限りがあるので、クリック単価を下げないことにはインプレッションシェアが高まらない。
※インプレッションシェアはGoogle Adsで確認できる指標で、実際の検索数に対してどれくらいの割合が広告表示されたか確認可能です。
谷口
グラフトンノートさんにお願いしてから、どんどんクリック単価が抑制されて、もう本当に右肩下がりで下がっていって、そのうち0円になるんだろうなと思っています笑
鹿倉
弊社としはマイナスを目指しています笑
※編集部注記: Google Adsではクリック単価がゼロやマイナスになることはありません。
鹿倉
その他だとクリエイティブをブラッシュアップしていくのが大事です。検索広告のクリエイティブフォーマットはレスポンシブに統一されてから月日が経っていますが、各アセットのメンテをしっかり行わないといけません。オプション表示も日々アップデートされるので、媒体推奨の設定は最新のものを反映できるよう日々情報をキャッチアップしています。一方で媒体推奨から逸脱する部分もやっぱり必要で、例えばGoogleの最適化案全部反映したら全部うまくいくのかというと、やっぱり違う。追加キーワードの推奨とかたまにとんでもないものが挙げられていることがあるので、そういったものをしっかり確認して取捨選択していく必要があります。
矢野
検索広告は顕在化されたニーズに対して有効なアプローチだけど、ニーズを掘り起こすような施策はどうでしょう?
鹿倉
ファインド広告は結構活用しています。スペシャライズド様はコンテンツをたくさんアップされているので、そのコンテンツをフックに興味を掘り起こしていくような狙いをもって設定しています。読了率も見ながら配信しています。
谷口
このあたり、グラフトンノートさんはしっかりご提案いただけてるなと感じます。既存の施策がおろそかになっているにもかかわらず、予算欲しさに新しい提案ばかりしてこられる会社も一定数存在しますが、グラフトンノートさんは既存の施策でキッチリ最適化した上で、さらに効果を上向かせるために新しいことを提案してくださるので、こちらとしても非常に信頼しています。
ほんとクリック単価もどんどん下げていただいてね。
鹿倉
はい、半年後にはマイナス2円ぐらいになってるんじゃないかと想定しています。
※編集部注記: 再度になりますが、Google Adsではクリック単価がゼロやマイナスになることはありません。

よりスピード感と質の高いPDCAを “チーム” で

矢野
ありがとうございます。そろそろ佳境に入ってきました。今後スペシャライズド様のECの向かう先として、どういうところを目指していて、その中で我々に期待することをお伺いしてもよろしいでしょうか。
谷口
オムニチャンネルでトータルに考えるということが今後ますます広がっていくと思うので、そこはしっかりやっていきたいです。集客は肝になってきますので、常に新しいターゲットに正しくリーチするっていうところを今後も続けていきたいと思っています。そのためのチーム体制の強化は必須と考えています。これまでの課題でいうと、僕一人しかいなかったので、色んなことが後手に回ってスピード感が足りない部分があると感じていました。鹿倉さんは毎回レスも早く定例の際も「今後に向けてクリエイティブはこういう方向で試しませんか?」とご提案を持って来てくださるのですが、こちらの手が回っておらず「ちょ、ちょっと待ってください」と後回しになっていることもありました。
そんな状況でレオンが入ってくれたので、よりスピード感を持って進めていけるんじゃないかと思っています。
今度は我々がグラフトンノートさんを困らせる番です笑
矢野&鹿倉
望むところです。
矢野
レオンさんもアナリティクスの観点でご意見お願いしてもよろしいでしょうか。
レオン
アナリティクスも範囲が広くてまずはさまざまなデータを可視化していきたいと思っています。顧客や商品、サプライチェーンなど多角的にアプローチすることで売上につながるファインディングスを見つけていきたいと考えています。
谷口
レオンはアナリティクスマネージャーというポジションですが、実は広告運用の経験もあります。さまざまなデータとこれまでの知見を掛け合わせて活躍して欲しいです。
広告でやりたいこととしては、データを基にもっとクリエイティブのパターンを増やしていきたいです。訴求したい商品もたくさんあって、例えば雨が多い季節なら雨用のバイクのウェアがあるので、アイテム絞って配信してみるとか。今は大まかな季節・商品ジャンルでしか区切れていないので、たくさんの軸で月レベル・週レベルと早いサイクルでパターンの切り替えができるようにしてきたいです。
矢野
人数が増えているということはビジネスも大きくなっているということなので、この輪を大きくできるようしっかりサポートさせていただきます。
本日はありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。